天龍院 大阪市天王寺区 2019年5月9日

大阪市天王寺区天王寺区城南寺町2−8

木造十一面観音菩薩立像 ヒノキ一木造 内刳り無し 11世紀から12世紀前半

 当初は彩色像であったと思われるが、彩色の痕跡は全く残らない。面相部の前面をはじめ後補部分が多く、素地を呈する下半身も摩耗が著しいが、一木造による彫像特有の豊かな量感を示す、堂々とした像である。両肩先まで根幹材と共木で彫出している点が特徴的で、像全体を一本の木から彫出しようというこだわりが感じられる。おそらく神木など、特別な木を用いて造立されたのではないだろうか。 
 この像の制作年代は本院の創建、天正14年(1586)よりはるかに遡り、伝来の過程は不明である。境内に別に堂を設けてまつっていることから、周辺にあった古堂にまつられていた像を、客仏としてまつってきたのかもしれない。(大阪市の文化財より)

予めお願いして拝観させていただきました。

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